出会ったヒト 5
「心配しないで。彼と二人で食事をする時はいつもちゃんとご馳走してもらってるから」小さな飛行機の開けっ放しになったドアから恐いもの見たさの心境で外界に目を向けたとたん、私はひどいめまいがして命綱をより一層強く握り締めた。
何しろここは地上二千メートルの上空です。
富士山の半分より高い、と、そう考えただけで気が遠くなりそうだ。
そんな高いところから「じゃ、またね」とだけ言い残し、次の瞬間には彼女は外へと飛び出していった。
「あっ」と声を上げる間もなくその姿は驚異のスピードで下界へと消えていった。