交響曲 その2

交響曲第29番イ長調
マリナーは冒頭の音型をはずむようにマルカート気味に演奏しているから躍動感があり、次に出てくるホ長調の優雅な第2主題と美しい対照を作り出していて、気分的な変化があります。
これに対してホグウッドは、レガート気味のなめらかな音型の捉え方をしていますから、第2主題との対比も明確ではなく、その点で常に一貫した気分の流れをもつといえます。
ただしこの演奏では、その後に出てくる第3主題ともいうべき楽想で対比的な要素を作り出しているのがおもしろいですね。
これら最近の演奏に対して、以前の指揮者たちは概して遅めのテンポをとっています。
たとえばべーム指揮ウィーン・フィルの演奏は、アレグロ・モデラートのモデラートに注目したようなテンポをとっているから、軽快さよりも落ち着いた、堂々とした気分を生み出しています。
これはこれで充分に納得させられるものがありますよね。