交響曲

交響曲第29番イ長調
最初の始まりが重要であることは、どんなものについても言えることですが、作品についても同じことが言えます。
この曲の冒頭、すなわち第1楽章の開始は、オクターヴの下降音型と細かい8分音符11個から成る単純な音型の組み合わせ。
しかもこれが1音ずつ音を高めながら3回半繰り返されるという、たいへん印象的なものです。
そしてこれは一度聴くと耳に残る楽想だから、これがこの曲が好まれる一因になっていることは確かですね。
しかしそれも演奏のやり方で、かなり気分が違ってくることも確かです。
この第1楽章は、アレグロ・モデラートの速度表示をもっていますが、一般的に言うと、最近の指揮者のテンポ感覚は速くなっているといえます。
たとえば、マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団やホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団などもそうです。
しかし、この2つの演奏では、この音型の演奏の仕方がかなり違うので、また全体の音楽の私たちに与える気分が異なっています。